
「楽天の株を100株持っていると、楽天モバイルが1年間タダになるらしいよ」
そんな話を聞いて、「えっ、本当に?でもなんか裏がありそう…」
と思った方もいるかもしれません。
実は、楽天グループ(証券コード:4755)の株主優待は、
楽天モバイルの30GBプランが“まるごと1年間無料”で使えるという、ちょっと異例な内容。
通常なら年間約39,000円かかるサービスなので、
これだけで優待利回りは約50%超というインパクトある水準です。
とはいえ、配当はゼロ。株価も上下の振れ幅が大きく、リスクもそれなり。
実際の使い方や申込方法にも制限があり、「万人向けの優待」とは言い切れません。
この記事では、そんな楽天の株主優待について──
…などを、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
\ スマホ代が0円に?でもリスクもある? /
楽天グループの株主優待「ほんとのところ」を、一緒に見ていきましょう。
🧩 楽天の株主優待って?“1年間スマホ無料”という異例の内容
楽天グループ(4755)の株主優待は、2025年3月期(第28期)で大きな話題となりました。
なんといっても目玉は、
楽天モバイルの回線(30GB・通話付き)を1年間無料で使える
という“通信費節約ガチ勢も驚く”優待内容です。
2024年度から開始された株主優待ですが、継続実施となりました。
具体的には、以下のような条件で受け取ることができました。
📌 優待の基本情報(2025年版)
項目 | 内容 |
---|---|
対象株主 | 2024年12月末時点で100株以上保有 |
優待内容 | 月30GB・音声付き × 1年間無料 |
優待価値 | 約39,336円相当(最強プランで換算:月3,278円×12ヶ月) |
受取方法 | 郵送で届くハガキ記載の専用サイトにログインして申込 |
この「楽天モバイル最強プラン」は、30GBの高速通信+国内通話し放題という充実内容。
それが丸々1年無料になるのは、かなり太っ腹です。
ただし、これは楽天モバイルに対応したスマホを持っている人、
かつ、しっかり申し込み手続きを完了できる人でなければ使いこなせません。
また、優待でもらえるのは“楽天モバイルの専用回線”であり、
他キャリア(ドコモ・au・SB)のスマホとは仕様が異なります。
通話は「Rakuten Link Office」アプリ経由で行うなど、いくつか独自の制限もあるので要注意です。
💹 利回り50%のカラクリ:どこまで本当に“お得”なのか?
楽天グループの株主優待が注目される最大の理由──それは、利回りが約50%という「数字のインパクト」です。
「え、利回りってそんなに高くなるの?」
「でも配当ゼロって聞いたけど…?」
そんな疑問を持った方のために、ここでは「優待利回り」と「総合利回り」の計算方法や注意点を、やさしく解説します。
📈 最新の株価と投資額
楽天グループの株価は、2025年7月25日時点で787.5円(終値)。
優待をもらうには100株以上の保有が必要なので、
必要な投資額は以下の通り
📌 787.5円 × 100株 = 78,750円
🎁 無料でもらえる通信プランの金額価値
優待で提供されるのは、楽天モバイルの「最強プラン」と
ほぼ同じ内容の30GB+音声通話付き。
月額3,278円を、12ヶ月分=39,336円相当でまるごと無料でもらえる感じになります。
💹 優待利回りの計算
- 📌 優待価値:39,336円
- 📌 必要資金:78,750円
- 📌 利回り= 39,336 ÷ 78,750 ≒ 約50%
つまり、「楽天の株を持っていれば、スマホ代が1年間まるごと浮く」わけで、
その節約額が投資額の約半分にあたる──ということです。
⚠️ でも注意:「現金がもらえるわけじゃない」
ここで忘れてはいけないのは、配当金がゼロという点。
つまり、現金収入が一切ないため、
📌 総合利回り = 配当利回り(0%)+優待利回り(約50%)= 約50%
──という、かなり特殊な構造になっています。
この「50%」という数字は、あくまで“楽天モバイルを1年間しっかり使った場合”の通信費節約効果であり、
利用しなければゼロ円、活用できる人にだけ恩恵があるという前提つきです。
つまり、すでに他のキャリアで、30GB以上使えるプランだったり、
電話かけ放題のプランを契約している人にとっては、
スイッチングコストの兼ね合いであまり得と感じないかもしれません。
あくまでも、現状の携帯プランに改善の余地があり、
その隙間を埋めてくれる存在だったりすると恩恵を受けられる可能性があります。
💬 こんな使い方も?楽天優待×格安SIMの組み合わせ術
実際に筆者は、この優待回線を「データ専用サブ回線」として活用し、
音声はHISモバイル、データは楽天優待を主回線として組み合わせています。
その結果、通信費は月290円にまで削減できました👇
✅ ポイントまとめ
- 楽天モバイルを1年間しっかり使えば、約39,000円相当の節約に
- 投資額78,750円に対し利回りは約50%(配当ゼロでもこの数字)
- ただし「利用しない人」には価値ゼロになる点に注意
- 節約術として活用できる人にとっては“通信費圧縮の切り札”
📝 どうやって申し込む?優待の申し込み手順と注意点
楽天の株主優待は、自動でもらえるわけではありません。
対象の株主には案内が届きますが、そこから「専用サイトでの申し込み手続き」が必要になります。
「いつ届く?」「どこから申し込む?」「気をつけるポイントは?」
この章では、優待申し込みの流れと注意点を初心者向けにわかりやすくまとめました。
📮 ① 優待案内が届くのはいつ?
2025年3月13日頃、対象の株主には「株主総会招集通知」などとあわせて、
📩 優待申し込み専用サイトの案内ハガキ が届きました。
このハガキには、ログイン用ID・パスワード・サイトURLが記載されています。
🌐 ② 申し込み手続きの流れ
申込期間は【2025年3月27日(木)9:00 ~ 5月30日(金)16:59】まで。
専用サイトで行う手続きの大まかな流れは以下の通りです
📅 ③ 利用開始はいつから?
新規で申し込んだ人は、2025年8月1日以降に通信サービスが開始されます。
この日を起点として、ぴったり1年間、楽天モバイルを無料で使えます。
※前年(第27期)から継続利用し、株主番号等も同一である場合は、
前年の利用終了日の翌日から自動で切り替わる形になっています。
筆者は、売却により株主番号が変わっていたので、
改めて、新しい電話番号のeSIMが記載された紙が届きました。
⚠️ ④ 注意点まとめ
以下の点は申し込み時に特に注意が必要です
🗣 補足:法人名義の場合は?
法人で株式を保有している場合は、追加の書類提出が必要です。
個人とは申込手続きが異なるので、案内ハガキ記載の注意事項をよく確認しましょう。
🚧 この優待、どこまで使える?利用上の制限と実際の注意点
「楽天モバイルが1年間タダで使える」──
確かに魅力的な優待ですが、
実は“なんでも自由に使える”わけではありません。
この章では、楽天の優待SIMでできること・できないことを整理し、
申し込んだ後に「こんなはずじゃなかった…」とならないように、
事前に知っておくべき注意点をまとめました。
📵 ① 対応端末に注意|楽天モバイルが使えるスマホとは?
まず大前提として、優待SIM(またはeSIM)を使うには、
📱 楽天モバイルの電波(Band3/Band18など)に対応した端末 が必要です。
一般的な国内メーカーのスマホであれば問題ないケースが多いですが、
海外製端末(iPhoneはOK)や格安スマホ、古い機種では通信が不安定になったり、
そもそも使えない場合も。
🔍「技適マーク」がついていること/楽天モバイルの対応端末一覧を事前に確認するのが安心です。
📞 ② 通話は専用アプリのみ|「Rakuten Link Office」必須
通話についても注意が必要です。
楽天モバイルの無料通話を使うには、通常の電話アプリではなく、
📱 Rakuten Link Office アプリを使う必要があります。
このアプリを通せば、国内通話は無料ですが、
アプリ外からの発信や、非対応端末では通話料がかかるケースもあります。
📊 ③ 利用状況の確認・チャージができない
優待SIMでは、通常の楽天モバイル契約と異なり
- 「my楽天モバイル」アプリが使えない
- データ使用量の確認ができない
- プラン変更やデータチャージも不可
- 国際通話・国際SMSも利用不可
といった機能制限があります。
これはあくまで「お試し用」の特殊仕様のため、管理機能も最小限に抑えられています。
📦 ④ SIMは“本人限り”|譲渡・転売は即アウト
楽天の優待SIMには、厳しい利用規約が設定されています。
とくに、
🚫 譲渡・転売は禁止。違反すると回線停止の可能性あり。
というルールは明記されています。
「家族に使わせたい」「フリマで売ろうかな…」と考えていた方は、
完全にアウトなのでご注意ください。
📌 ⑤ 利用は1年間きっちり|その後は自動解約
この優待は、“使い始めた日からぴったり1年間”の限定サービスです。
無料期間が終わると、自動的に回線が解約されます。
(期間終了1ヶ月前にSMSで終わる通知が来ます)
✅ まとめ:優待SIMは“本気で使いたい人向け”の特別仕様
項目 | 制限内容 |
---|---|
対応端末 | 楽天モバイル回線対応端末が必要(要技適) |
通話 | 専用アプリ(Rakuten Link Office)必須 |
管理機能 | 利用状況の確認・データ追加・プラン変更不可 |
利用期間 | 1年間きっちり/その後は自動解約 |
譲渡・転売 | 完全NG(不正発覚で停止の可能性あり) |
楽天モバイルを“自分でちゃんと使うつもり”の人にはありがたい優待ですが、
「試すだけ」「なんとなくもらっておこう」という感覚だと持て余すかもしれません。
🎯 なぜここまで太っ腹?楽天がこの優待を出した本当の狙い
楽天グループの株主優待──
楽天モバイルの通信プランを丸ごと1年間無料で提供するという、
明らかに“儲け度外視”の内容。
配当ゼロなのに、通信費に換算すると約39,000円相当がタダでもらえる。
この異例とも言える優待を、楽天はなぜ出したのか?
そこには、楽天モバイルの置かれた現状と、
楽天グループ全体の“勝負戦略”が深く関係しています。
📉 楽天モバイルはまだ赤字、でも…
楽天モバイルは、2020年に「第4の携帯キャリア」として本格参入したばかり。
それ以降、契約数を伸ばしながらも、巨額の設備投資とローミング費用で赤字が続いてきました。
ただし、2024年には次のようなポジティブな変化が出てきています
- 契約者数:830万回線突破(MNO+MVNO)
- プラチナバンド(700MHz帯)の割り当てを獲得
- 楽天モバイル単体で月次EBITDAが初の黒字化
📈 少しずつですが、楽天モバイルは「赤字体質」からの脱却に向かい始めています。
💡 優待は“広告費”と“無料体験”を兼ねた戦略
楽天がこの優待を出した目的は、はっきりしています。
- 株主という「楽天に関心の高い層」に、楽天モバイルを実際に使ってもらう
- 満足すれば継続契約や口コミによる拡大につなげたい
つまり、これは単なる“株主へのお礼”ではなく、
🎁 「1年間無料で試してもらう」=体験型マーケティングの一環なのです。
株主優待の発表後、実際に楽天の株価は反応し、市場からも一定の評価を受けました。
🏠 楽天経済圏との連携がカギ
楽天は、モバイルだけでなく、EC・銀行・証券・保険など多くのサービスを展開しています。
そのすべてを「楽天ID」と「楽天ポイント」でつなぎ、囲い込みを強化するのが「楽天経済圏」。
モバイルを使うことで、以下のような連携特典も生まれます
- 📦 楽天市場でポイント+1倍(SPU)
- 🏦 楽天カード・楽天銀行との連携でポイントアップ
- 📱 楽天ペイなど決済サービスとの連動
つまり、楽天にとってモバイルは、「単独で利益を出す事業」ではなく、
グループ全体を強くする“ハブ”の役割を持っているのです。
📣 株主の反応も上々、「申込多数」の公式発表あり
2025年3月〜5月に行われた優待申し込みでは、楽天からこんなリリースが出されました:
🗣「多くのお申し込みをいただき、誠にありがとうございます」
(出典:楽天IRより)
株主側から見ても「使ってみたら思ったより快適だった」という声があり、
楽天としても手応えを感じているようです。
✅ ポイントまとめ
- 優待の目的は「株主への還元」+「楽天モバイルの利用促進」
- 自社サービスを1年間無料で体験してもらい、継続契約や口コミにつなげたい
- モバイルがきっかけで、楽天経済圏へのクロスユースが期待できる
- 株価やブランドイメージへのプラス効果も視野に入れている
🤝 競合3社と比べてどう?NTT・KDDI・SBとの優待&利回り比較
楽天モバイルの優待は確かにインパクト大ですが──
果たして通信大手3社(NTT・KDDI・ソフトバンク)と比べて、本当に「お得」と言えるのでしょうか?
この章では、各社の株主優待・配当利回り・総合利回りを表で比較しながら、楽天の立ち位置を客観的に整理していきます。
📊 主要通信3社+楽天の比較一覧(2025年版)
企業名 | 配当利回り(予想) | 優待内容 | 優待利回り(概算) | 総合利回り |
---|---|---|---|---|
NTT(9432) | 約3.5% | dポイント進呈(長期保有限定) | 0.7%前後 | 約4.2% |
KDDI(9433) | 約3.3% | カタログギフト(1年以上で2,000円) | 0.5〜0.75% | 約4~5% |
ソフトバンク(9434) | 約3.9% | PayPayポイント1,000円(1年以上) | 約4.5% | 約8.4% |
楽天グループ(4755) | 0% | 楽天モバイル1年無料(約39,336円相当) | 約50% | 約50% |
📝 楽天は“現金ゼロ・サービス全振り”の異端児
楽天は配当ゼロですが、通信費節約という“実用性”に全振りしている構造です。
その分、使いこなせる人にとっては圧倒的に高利回り。
他社が「毎年ポイントやギフトをちょっとずつ配る」のに対し、
楽天は「今だけドカンと1年分タダで使って!」というスタイル。
📝 他社は“配当メイン+優待はおまけ”型
NTT、KDDI、ソフトバンクは、いずれも安定した高配当銘柄。
優待はあくまでおまけ的な位置づけですが、次のような特徴があります
🟩 NTT(9432)
- 長期保有でdポイント最大3,000pt進呈(2年~5年)
- もらえるのは1回だけ/毎年はなし
- 総合利回りは安定も、“長期前提”かつ優待は控えめ
🟦 KDDI(9433)
- カタログギフトが人気(1年以上2,000円/5年以上3,000円)
- Pontaポイントだと1.5倍交換(2,000→3,000円分相当)も可能
- 毎年もらえる&継続保有でアップというメリットあり
🟥 ソフトバンク(9434)
- PayPayポイント1,000円/年(1年以上保有)
- 単価は小さめだが、配当5%前後+優待で利回り最強クラス
🟣 楽天の“超高利回り”は1年限り+要使いこなし
楽天の50%利回りは確かにすごいですが──
- あくまで「1年間限り」、継続される保証はない
- 実際に優待契約を使わないと価値はゼロ
- 配当がない分、株価下落リスクに対するクッションが弱い
という注意点があります。
✅ ポイントまとめ
- ✅ 配当重視なら「KDDI・ソフトバンク」が鉄板
- ✅ 優待も楽しみたいなら「KDDIのカタログ」が人気
- ✅ 利回りインパクトで選ぶなら「楽天」だが“使いこなせる人向け”
- ✅ 安定性ならKDDI・SB、攻めたい人は楽天──という棲み分け
💼 楽天の業績と財務を“投資家視点”で見るとどうか?
楽天は株主優待こそ派手ですが、投資対象としては慎重な見極めが必要です。
ここでは、業績・財務・格付けといった“投資家目線”で重要なポイントを整理します。
📊 ① 業績の現状:5年ぶりの営業黒字化
楽天グループ全体は、2024年12月期に5年ぶりの営業黒字(529億円)に転換しました。
💣 ② 最終損益は赤字が続く
一方で、当期純損益は▲1,624億円の赤字(6期連続)となっています。
赤字の要因は、モバイル事業の減価償却・基地局投資・金利負担(前年より365億円増)など。
🏦 ③ 自己資本比率は4.7%と“極薄”
- 総資産:約26.5兆円
- 自己資本:約1.24兆円
- 自己資本比率:4.7%(実質3.5%)
金融子会社(銀行・証券・カード)が巨大な負債構造を持つため、数字は低く見え、
他の事業会社と比較すると「かなり資本が薄い」印象です。
💰 ④ キャッシュフローの動向
- 営業CF:+1兆1,908億円(カード代金回収や銀行預金増で大幅増)
- 投資CF:▲9,217億円(基地局建設や物流拠点投資)
- 財務CF:+7,574億円(楽天銀行IPO資金、増資、社債発行)
- 現金残高:6兆1,708億円(前年+1兆円)
ただし、自由に使えるフリーCFは▲2,308億円と依然マイナスです。
🏅 ⑤ 信用格付けの現状
- R&I(格付投資情報センター):BBB+(投資適格)
- JCR(日本格付研究所):A-
- S&Pグローバル:BB(投機的)
国内格付けは投資適格を維持していますが、海外では“ジャンク級”と見られています。
✅ ポイントまとめ
- 営業黒字化は明るい兆しだが、最終赤字&高負債は課題
- 自己資本比率4.7%は要注意ポイント
- 金利負担・モバイル投資が続く限り、配当復活はまだ見通せない
🚀 今後の成長ドライバー:モバイル・FinTech・衛星通信
楽天の株主優待はモバイル事業が原点ですが、
その先には「グループ全体の成長戦略」がしっかり組み込まれています。
この章では、楽天グループが今後注力していく3つの事業分野について、
“優待の裏にある未来地図”を投資家視点で解説します。
📱 ① モバイル事業|黒字化へのラストスパート
楽天モバイルは、2024年に以下のような進展を見せています
- 契約数:830万回線に到達(MNO+MVNO合算)
- プラチナバンド(700MHz帯)割当 → 建物内や地下の通信品質が改善
- モバイル単体での月次EBITDAが黒字化を初めて達成
さらに、通信設備のクラウド仮想化(Open RAN)により、
運用コストの大幅削減・迅速なサービス展開を可能にしています。
📌「通信網のコスト構造そのものをひっくり返す」──それが楽天モバイルの本質です。
今後は、5G-Advancedや6Gへの進化、衛星通信との連携も視野に入れ、
“世界初”モデルの通信インフラをグローバル展開していく構想を掲げています。
🏦 ② FinTech事業|楽天経済圏の稼ぎ頭
FinTech(金融)部門は、楽天グループの中で最も安定的な利益源です。
- 楽天カード:発行枚数2,600万枚超/年間取扱高15兆円規模
- 楽天銀行:口座数1,400万口座/預金残高13兆円以上
- 楽天証券:上場準備中(楽天は株式の約63%を保有)
これらの金融サービスは、楽天市場やモバイルと連携してポイント還元を強化。
いわば、楽天経済圏の“心臓部”として回遊性を高める要(かなめ)の存在です。
将来的には、AIを活用したローン・投資商品レコメンド、保険との統合など、
ワンストップのデジタル金融プラットフォーム化を進めていくとしています。
🛰 ③ 衛星通信事業|“宇宙インフラ”への先行投資
楽天は2026年までに、AST SpaceMobile社と提携して
「スマホがそのまま衛星につながる」という新通信サービスの国内導入を目指しています。
- 通信エリア外の山間部・離島でもスマホがつながる
- 災害時のバックアップ通信としても注目
- 他社にはない“空からのカバレッジ”を武器に、差別化を図る
これが成功すれば、楽天=全国どこでも使える通信網+宇宙接続というブランドイメージが確立され、
楽天モバイルの認知・契約拡大にも大きく貢献する可能性があります。
✅ ポイントまとめ
- モバイル:黒字化フェーズへ/仮想化ネットワーク+プラチナバンドで巻き返し狙う
- FinTech:楽天の安定収益源/グループ連携で“囲い込み”強化
- 衛星通信:楽天だけが仕掛ける次世代ネットワーク/地方・災害対応で注目度↑
楽天の株主優待が“タダでスマホ”というインパクトだけに見える裏側には、
グループ戦略の中核を担う通信事業の“未来への布石”という側面があるのです。
👥 初心者向け解説:楽天株に向いている人・向いていない人
「利回り50%」という強烈な数字に惹かれて楽天株に興味を持った方も多いかもしれません。
でもこの優待──実際に“得する人”と“持て余す人”が、はっきり分かれるタイプです。
この章では、筆者自身の実体験も交えて、楽天株が“向いている人・向いていない人”を整理してみました。
✅ 楽天株に向いている人
- 📱 楽天モバイルに興味があり、1年しっかり使ってみたい人
→ 楽天の通信環境やアプリ操作に慣れていれば、優待をフル活用できます。 - 💡 スマホ設定やSIMの差し替えが自分でできる人
→ 優待の申し込みにはeSIM/SIM選択や本人確認手続きが必要です。 - 🧮 「通信費=固定費」と考えて節約意識が高い人
→ 筆者はデータ用に楽天優待回線、音声用にHISモバイル(月290円)という併用で、
スマホ代を実質ゼロに近づけています - 🌐 楽天経済圏ユーザー(楽天市場・楽天カードなど)
→ モバイル契約でSPU倍率が+1倍になるなど、優待+ポイントの二重取りが可能です。
❌ 楽天株が向いていない人
- 💸 配当で安定的に収入を得たい人
→ 楽天は現在「無配」。他社のように毎年安定して現金をもらえる構造ではありません。 - 🧓 スマホやSIMの設定に不安がある人
→ 優待の申込みや活用にはある程度のデジタルリテラシーが必要です。 - 🧍♂️ 今すでに楽天モバイルを使っていて、追加回線の必要がない人
→ 優待で提供されるのは“新規申込み用の1回線のみ”。
すでに使っている人にはメリットが薄いです。 - 📉 「優待だけが目当て」で短期投資を考えている人
→ 株価変動リスクが大きく、短期売買には向きません。
✅ ポイントまとめ
タイプ | 楽天株との相性 |
---|---|
スマホ操作に慣れていて楽天未契約 | ◎ 超お得に使い倒せる! |
節約志向で通信費を見直したい | ◎ 固定費削減の強力アイテムに |
高配当株を探している | ✖ 楽天は配当ゼロ(2025年現在) |
優待を毎年もらいたい | △ 来年も続くかは未定/注意 |
🧭 まとめ|利回り50%の“魔力”に飲まれず、自分にとって使えるかを考える
楽天グループの株主優待(2025年)は、たしかにインパクト抜群です。
- 30GB+通話付きのモバイル回線が1年間まるごと無料
- 通常価格なら約39,000円相当
- 投資額78,750円に対し、利回りは約50%
──これだけ聞けば、「今すぐ買うしかない!」と飛びつきたくなるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
🧮 「高利回り」の裏には、ちゃんと理由がある
楽天の配当は0円。業績は6期連続赤字。自己資本比率もわずか4.7%。
つまり、配当による株主還元ができない代わりに、サービスで恩返ししているというのが実態です。
この優待は、“自社サービスを体験してもらうこと”を目的とした戦略的マーケティング。
利用者側にとってもメリットは大きいですが、実際に申し込み・設定・活用できるかどうかで、その価値は大きく変わります。
📱 筆者も体験済|通信費を月290円まで下げられた理由
筆者自身もこの楽天優待を活用し、音声通話はHISモバイル、
データ通信は楽天モバイル優待──という併用スタイルで、通信費を月290円まで削減しました。
でもこれは、設定や運用に慣れている人だからこそ可能な話。
「使い方がわからない」「スマホが対応していない」といった理由で活用できなければ、
利回り50%も絵に描いた餅です。
📌 楽天優待は“目的に合えば神、合わなければ過剰投資”
この優待は、次のような人にとって真価を発揮します
- 通信費を抑えたい/副回線が欲しい
- 楽天モバイルをお試しで使ってみたい
- 楽天経済圏を日常的に活用している
一方で、配当を重視する人・長期で安定的に保有したい人には、
KDDIやソフトバンクのような高配当・毎年優待型の銘柄のほうが合っているかもしれません。
最後に:数字に踊らされず「自分にとっての価値」で判断を
株主優待の魅力は、単に“利回りが高いから”ではなく、
自分のライフスタイルとマッチしているかどうかで決まります。
楽天の株主優待は「活かせる人」にとっては最強クラス。
でも「なんとなくお得そう」で買うと、失敗するリスクもあります。
🔍 投資する前に、自分がこの優待をしっかり活用できるか?
📶 モバイル環境や家族構成、他の通信プランとの兼ね合いは?
💬 今後も優待が続くか、配当は復活しそうか?
──こうした視点を持って選ぶことで、株主優待は“節約”にも“投資”にも味方になってくれるはずです。
📦 生活がちょっとラクになる!人気の株主優待まとめ
本記事は、下記の公式ページをもとに体験と調査を加えて執筆しています。
▶ 楽天グループの公式ページを見る※株価・配当金・利回りなどの数値は、2025年7月時点の情報をもとに、Yahoo!ファイナンス・SBI証券・各社IR資料などを参考に筆者が独自に集計・算出したものです。市場の状況により変動するため、実際の投資判断はご自身で最新情報をご確認ください。