📆 育休サバイバル日誌

保育参観で見せた“どっこいしょ”の奇跡|太鼓の音が苦手だった息子の挑戦と共感の時間

今日、5歳の息子の保育参観があった。

実は事前に先生から妻に、こう言われていた。
「本番、踊れないかもしれません…」って。

太鼓の音がどうも苦手で、リハーサルでは耳を塞いでいたそう。
実際、息子は音に敏感なタイプで、拍手や大きな音が耳の奥でホワンホワン響く。
それって、正直僕にも覚えがある。
似たような感覚を持って生まれてきたんじゃないかなって、ずっと思ってた。


「できないかも」という気持ちと、「それでも見てみたい」という気持ち

正直、踊れない前提で気持ちは構えていた。
5歳児なんて、当日寝起きの機嫌ひとつで全てひっくり返る生き物だ。
機嫌よくステージに立ってるだけで上出来。
…そう思ってたんだけど。


保育園のホールにて

当日は、保育園のホール。体育館のような場所。
保護者との距離は2〜3メートル。
ステージがないぶん、大人の視線をモロに受けるような空間だった。

息子はいつものような表情はしてなかった。
やる気があるんだかないんだか、ちょっと無表情。
僕たちに手を振ることもなかった。
緊張してたのかもしれない。


曲が流れた瞬間、彼の体は動いていた

太鼓の音とともに曲が始まると、
彼は、すっと体を揺らし始めた。

ワンテンポ早く、クネクネと手を動かしている。
必死にリズムを取ろうとしているのが伝わってきた。

目線はずっと前の子の動きを見ていた。
僕たちのことは見なかった。
でもその代わりに、彼は何かを“感じていた”。


一列目のセンターの子が泣き出す

前列センターにいた子が、本番中に大泣きしてしまった。
その子の目の前にいた保護者の方が、あたふたしているのが印象的だった。

そのときだった。
息子の動きが止まった。

始まってから1分半くらいのタイミング。
じっと、泣いてるその子の方を見ていた。
たぶん、最初から気づいてたんだと思う。
周囲をキョロキョロして、気にしていた。

10秒ほど、踊りを止めていた。


そして、思い出したかのように

そのあと、息子は再び動き始めた。
「どっこいしょ!」のところで、腰を落とし、振り付けを再開する。

誰に言われたわけでもない。
前を見て、タイミングを計って、もう一度“自分で”やろうとした。

できてるじゃん…!
事前に聞いていた姿とは、まるで違った。
息子は息子なりに、その場に立って、状況を見て、
感じて、選んで、動いていた。


共感が重なる瞬間

泣いている子を心配そうに見ていた息子の姿は、
どこか自分自身を見ているようだった。

「わかるよ、その音、しんどいよね」
「怖いよね」
「でも、やるんだよね」

彼は、ただ踊っていたわけじゃなかった。
“人の気持ちを感じながら”、その中で、自分の場所を探していた。


子育ては、想定通りにならないから面白い

正直、「踊れないかも」と聞かされていた時点で、僕はもう期待を下げていた。
でも、今日の息子は、僕の想定なんか軽く飛び越えてきた。

子どもって、誰かの口コミや育児書どおりには育たない。
でも、だからこそ――

想定外に、心が動く瞬間がある。
親と子の気持ちが、ふっと重なったように感じる瞬間がある。

今日の「どっこいしょ」は、
その“重なり”を感じさせてくれた出来事だった。

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