東急(9005)の株主優待が、2026年3月末基準から大きく変わりました。100株でも乗車券とグループ優待券がもらえ、300株以上では新たに「株主優待ポイント」が加わります。
ただし、ポイントは年1回、乗車券とグループ優待券は年2回です。さらに300株と500株では、もらえる乗車券の枚数や優待券の内容も違います。制度が充実したぶん、初めて見ると少し分かりにくいですよね。
そこでこの記事では、東急の株主優待がいつ届くのか、100株・300株・500株で何が違うのか、ポイントや映画優待の使い方、配当を含む利回りまで、家族で使う目線から整理します。
この記事の結論
- 100株:年4枚の乗車券+Aセット。少額で始めやすい
- 300株:100株優待に年2,000ポイントが追加。TOKYU CARD利用者と好相性
- 500株:年10枚の乗車券+年3,000ポイント+Bセットで実用性が上がる
- 3月末分は5月中旬〜下旬、9月末分は11月中旬〜下旬に発送予定
- 配当予想は年32円。優待は「使い切れるか」を重視して選ぶ
東急の株主優待は2026年3月から拡充
東急は2026年1月28日、株主優待制度の拡充を発表しました。新制度は2026年3月31日を基準日とする優待から始まり、同年5月発送分から反映されています。
- 300株以上に「株主優待ポイント」を新設
- 300株以上にTOKYU CARD利用額の+2%相当ポイント
- 300株以上にTOKYU CARD年会費相当ポイント
- 1,500株以上・3年以上保有の長期優遇を拡充
- 500株以上のグループ優待券をBセットへ拡充
100株の基本優待は残しつつ、300株と500株の魅力を高めた変更です。これから買う人は「まず100株」だけでなく、ポイントが始まる300株、乗車券が増える500株も比較したいところです。
東急の株主優待はいつ届く?権利確定日・発送時期・有効期限
| 基準日 | 権利を取る時期 | 発送予定 | 乗車券・優待券の有効期限 |
|---|---|---|---|
| 3月31日 | 3月末の権利付き最終日まで | 5月中旬〜下旬 | 同年11月30日まで |
| 9月30日 | 9月末の権利付き最終日まで | 11月中旬〜下旬 | 翌年5月31日まで |
乗車券とグループ優待券は年2回届きます。一方、株主優待ポイント、TOKYU CARDの+2%相当、年会費相当ポイントは3月末基準の年1回です。
「300株なら2,000ポイントが半年ごとにもらえる」と誤解しやすいのですが、2,000ポイントは年間の付与数です。利回りを計算するときも、ポイントを2倍にしないよう注意しましょう。
100株・300株・500株で何がもらえる?
まずは、個人投資家が比較しやすい保有株数を一覧にしました。乗車券とグループ優待券は1回あたりの枚数、ポイントは1年あたりの付与数です。
| 保有株数 | 乗車券(年2回) | グループ優待券 | 優待ポイント(年1回) |
|---|---|---|---|
| 100〜299株 | 2枚/回 | Aセット/回 | なし |
| 300〜499株 | 2枚/回 | Aセット/回 | 2,000pt |
| 500〜1,499株 | 5枚/回 | Bセット/回 | 3,000pt |
| 1,500〜2,499株 | 10枚/回 | Bセット/回 | 4,000pt |
| 2,500〜4,999株 | 20枚/回 | Bセット/回 | 5,000pt |
| 5,000〜9,499株 | 40枚/回 | Bセット/回 | 6,000pt |
| 9,500〜11,999株 | 80枚/回 | Bセット/回 | 8,000pt |
| 12,000株以上 | 乗車券に全線パスが加わる | Bセット/回 | 保有数に応じて付与 |
1,500株以上を3年以上継続保有すると、乗車券とポイントがさらに上乗せされます。全線パスの枚数や上位区分は細かいため、大口保有を検討する場合は東急公式の株主優待一覧で最新情報を確認してください。
100株:少ない資金で年4枚の乗車券
100株では、乗車券が1回2枚、年2回で合計4枚届きます。さらに東急百貨店、東急ストア、東急ホテルズなどで使えるAセットも年2回です。
2026年9月18日の株価1,662.5円で計算すると、最低投資額は約16万6,250円。東急線をたまに利用する人や、まずは優待を試してみたい人には取り組みやすい水準です。
300株:新設ポイントの最初のライン
300株では、100株と同じ年4枚の乗車券とAセットに加えて、年2,000ポイントがもらえます。また、TOKYU CARDの+2%相当ポイントと年会費相当ポイントも対象になります。
必要資金は約49万8,750円です。100株から買い増すには約33万円が必要なので、ポイントだけを目的にすると投資額の増加は大きめです。TOKYU CARDや東急グループを普段から利用する家庭ほど、追加特典を活かしやすくなります。
500株:乗車券が年10枚、優待券はBセット
500株では、乗車券が1回5枚、年10枚に増えます。ポイントは年3,000ポイント、グループ優待券は映画や美術館、健康診断の優待を含むBセットです。
必要資金は約83万1,250円。投資額は大きくなりますが、東急線を家族で使い、109シネマズや東急ストアも利用するなら、優待の選択肢は一段広がります。
どの株数が合う?
優待初心者は100株、TOKYU CARDを日常利用する人は300株、乗車券と映画優待を家族で使いたい人は500株が比較の中心です。使わない優待を無理に金額換算せず、生活圏に合う株数を選びましょう。
株主優待ポイントは何に使える?
株主優待ポイントは、株主優待専用サイトなどから東急グループの商品・サービスに交換できます。公式案内では、次のような交換先が用意されています。
- TOKYU POINTへの交換
- 東急ホテルズのギフトカード
- 東急百貨店のカタログ商品
- しぶそばの利用券
- ハウスクリーニングなどのサービス
- 東急線キャラクター関連グッズなど
TOKYU POINTへは、株主優待ポイント1ポイントをTOKYU POINT 1ポイントとして交換できます。TOKYU POINTは対象店舗で1ポイント=1円として使えるため、この記事の利回り計算では1ポイント=1円と保守的に見積もります。
交換商品や必要ポイント数、申込期限は変更されることがあります。ポイントが付与されたら、専用サイトの期限と交換先を早めに確認しておくと安心です。
TOKYU CARDの+2%と年会費特典
300株以上では、TOKYU CARD利用額に対して通常分とは別に+2%相当の株主優待ポイントが付与されます。ただし、保有株数ごとに年間上限があります。
| 保有株数 | +2%相当の年間上限 |
|---|---|
| 300〜1,499株 | 3,000ポイント |
| 1,500〜4,999株 | 4,000ポイント |
| 5,000株以上 | 6,000ポイント |
300株の上限3,000ポイントまで受け取るには、対象となる年間利用額が15万円必要です。カードを使わなければこの特典は発生しないので、最大額をそのまま優待価値に足すのは避けましょう。
さらに、対象のTOKYU CARD年会費相当として、年間最大3,300ポイントが付与されます。たとえば一般カードの年会費が1,100円なら1,100ポイント、年会費6,600円のゴールドカードなら上限の3,300ポイントです。家族カード分を含めても合計上限は3,300ポイントです。
Aセット・Bセットの中身
グループ優待券は、100〜499株がAセット、500株以上がBセットです。BセットはAセットの枚数が増え、映画や美術館、健康診断の優待も加わります。
| 主な優待券 | Aセット | Bセット |
|---|---|---|
| 東急百貨店 10%割引券 | 5枚 | 10枚 |
| 東急ストア 50円券 | 20枚 | 40枚 |
| 東急ホテルズ 宿泊優待券 | 4枚 | 8枚 |
| 東急ホテルズ 飲食10%割引券 | 2枚 | 4枚 |
| 東急病院 人間ドック・健康診断10%割引 | なし | 1枚 |
| Bunkamura・五島美術館など共通招待券 | なし | 4枚 |
| 109シネマズ 映画優待券 | なし | 4枚 |
上の枚数は1回分なので、3月末と9月末の両方で権利を取れば原則として年2倍です。ただし、割引条件や対象外商品、利用できない日などがあります。
東急ストアの50円券は、買い物額などの利用条件があります。券面総額をそのまま現金と同じ価値と考えず、「普段の買い物で自然に使える分」だけを家計メリットとして数えるのが安全です。
株主優待乗車証の使い方
電車の乗車券は、1枚につき1人が東急線の対象区間を片道1回利用できます。株主本人に限らず、券を持っている家族なども使えるため、家族のお出かけにも回しやすい優待です。
- 1枚で1人・片道1回
- 途中下車すると原則としてその時点で無効
- 有効期限を過ぎた券は使えない
- 他社線への直通区間は別運賃が必要になる場合がある
短距離でも長距離でも1枚なので、できるだけ運賃の高い区間で使うと価値は上がります。ただし、優待を使うためだけに不要な移動を増やしては節約になりません。普段の外出予定に組み込めるかが大切です。
3年以上の長期保有特典
1,500株以上を3年以上継続保有すると、乗車券と優待ポイントが増えます。たとえば1,500株では、通常は乗車券10枚/回・年4,000ポイントですが、長期条件を満たすと乗車券15枚/回・年5,000ポイントになります。
継続保有3年以上とは、同じ株主番号で3月末・9月末の株主名簿に7回連続して記録されることが条件です。また、期間中の各基準日に保有していた最低株数が判定の基礎になります。
途中で全株を売ったり、貸株サービスなどで株主番号が変わったりすると、継続記録が途切れる可能性があります。長期特典を狙う場合は、利用している証券会社の扱いも確認しておきましょう。
東急の配当・優待利回りを試算
東急の2027年3月期の年間配当予想は1株32円です。株価1,662.5円(2026年9月18日終値)では、配当利回りは約1.92%になります。
優待乗車券は利用区間で価値が変わるため、ここでは1枚300円で使うと仮定します。ポイントは1ポイント=1円。グループ優待券、TOKYU CARDの+2%、年会費相当ポイントは利用状況の差が大きいため、計算から除外しました。
| 保有株数 | 投資額 | 計算対象の年間優待 | 優待利回り | 配当+優待 |
|---|---|---|---|---|
| 100株 | 166,250円 | 乗車券4枚=1,200円 | 約0.72% | 約2.65% |
| 300株 | 498,750円 | 乗車券4枚+2,000pt=3,200円 | 約0.64% | 約2.57% |
| 500株 | 831,250円 | 乗車券10枚+3,000pt=6,000円 | 約0.72% | 約2.65% |
数字だけを見ると、300株は100株・500株より計算上の優待利回りがやや低い。ただし、300株以上ではカード特典が加わります。反対にカードを使わない人は、100株の手軽さや500株の乗車券枚数のほうが分かりやすい魅力です。
株価や配当予想は変動します。最新の株価・PER・PBRは株探の東急ページ、配当方針や決算は東急IRで確認してください。
最新決算から見る東急の業績
2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の連結業績は、営業収益2,734億67百万円、営業利益313億94百万円でした。営業収益は前年同期比4.6%増、営業利益は同2.8%減です。
| 項目 | 第1四半期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 2,734億67百万円 | +4.6% |
| 営業利益 | 313億94百万円 | −2.8% |
| 経常利益 | 333億69百万円 | −6.2% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 362億60百万円 | +43.4% |
通期予想は営業収益1兆1,400億円、営業利益1,100億円、純利益900億円です。営業利益予想は、中期経営計画の2026年度目標950億円を上回る水準です。
東急は鉄道だけでなく、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートも展開しています。第1四半期の営業利益は交通が約100億円、不動産が約152億円、生活サービスが約34億円、ホテル・リゾートが約33億円でした。渋谷を中心とした街づくりと沿線価値の向上が、複数事業に波及する点が特徴です。
東急株の買い時を考える3つの視点
1.権利確定直前だけで判断しない
優待の権利を取るには権利付き最終日までの購入が必要ですが、権利落ち後は配当・優待分を意識して株価が下がることがあります。「次の優待に間に合わせたい」という理由だけで高値を追わず、数回に分けて買う方法も検討できます。
2.優待改悪より業績と財務を先に見る
株主優待は将来も同じ内容が続くとは限りません。優待拡充は魅力ですが、投資判断の中心は本業の利益、キャッシュフロー、金利負担、設備投資の回収です。
東急では建設費・人件費の上昇、金利上昇、不動産市況、自然災害、輸送需要の変化などがリスクになります。特に大規模開発は長期の資金を必要とするため、金利と建設コストの動きは継続して確認したい項目です。
3.「使える優待」だけを価値に入れる
東急線に乗らない、近くに東急ストアや109シネマズがない場合、優待券の額面どおりの価値は得にくくなります。自分の年間利用回数を書き出し、乗車券・ポイント・割引券を本当に使えるか確認してから株数を決めると失敗が減ります。
東急の株主優待が向いている人・向かない人
向いている人
- 東急線を年に数回以上使う
- 東急ストアや東急百貨店が生活圏にある
- TOKYU CARDを日常使いしている
- 109シネマズや東急ホテルズを利用する
- 沿線開発を含む長期成長を見守れる
慎重に考えたい人
- 東急グループをほとんど使わない
- 高配当だけを最優先したい
- 優待の変更や廃止が気になる
- 短期の株価変動に耐えにくい
- 300株・500株の資金を一度に用意するのが負担
よくある質問
東急の株主優待はいつ届きますか?
3月31日基準分は5月中旬〜下旬、9月30日基準分は11月中旬〜下旬に発送予定です。郵便事情や地域によって到着日は前後します。
100株で何がもらえますか?
1回につき乗車券2枚とグループ優待券Aセットです。3月末と9月末の両方で権利を取ると、乗車券は年間4枚になります。100株では株主優待ポイントは付きません。
300株の2,000ポイントは年2回ですか?
いいえ、株主優待ポイントは3月末基準の年1回です。300株なら年間2,000ポイントです。乗車券とグループ優待券は年2回届きます。
優待乗車券は家族も使えますか?
はい。株主本人だけでなく、券を持参した人が利用できます。1枚につき1人・片道1回です。
109シネマズの映画優待は100株でももらえますか?
映画優待券を含むBセットは500株以上が対象です。100株・300株はAセットで、映画優待券は含まれません。
長期保有特典は何株からですか?
1,500株以上を3年以上継続保有した株主が対象です。同一株主番号で3月末・9月末の名簿に7回連続で記録される必要があります。
まとめ:100株は手軽、300株はカード利用者、500株は家族向け
- 権利確定は3月末・9月末
- 到着は5月中旬〜下旬と11月中旬〜下旬
- 100株は乗車券が年4枚+Aセット
- 300株は年2,000ポイントとカード特典が追加
- 500株は乗車券が年10枚、年3,000ポイント、Bセット
- 配当予想は年32円、株価1,662.5円時点の配当利回りは約1.92%
東急の株主優待は、沿線で暮らす人ほど日常の交通・買い物・レジャーに組み込みやすい内容です。まず100株、カード利用なら300株、家族で電車や映画を楽しむなら500株を比較すると選びやすくなります。
一方で、優待は変更される可能性があり、株価も動きます。優待の額面だけでなく、業績・配当・自分の利用頻度を合わせて判断してください。
鉄道株主優待を比較したい方へ
参考資料
- 東急株式会社「株主優待制度」
- 東急株式会社「株主優待制度の拡充に関するお知らせ」
- 東急株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信」
- 東急株式会社「中期経営計画」
- 東急株式会社「事業等のリスク」
- 株探「東急(9005)株価・基本情報」
「明日の日経平均が 上がる or 下がる を予想」するだけ。
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※株価・配当金・利回りなどの数値は、執筆時点の情報をもとに、Kabutan、Yahoo!ファイナンス・SBI証券・各社IR資料などを参考に筆者が独自に集計・算出したものです。市場の状況により変動するため、実際の投資判断はご自身で最新情報をご確認ください。